銭湯の基礎知識

銭湯は日本が誇る文化と芸術

現在の銭湯スタイルが誕生したのは江戸時代、“湯を沸かして入る”形式の銭湯が大流行しました。
その背景には、当時江戸名物とも言われた火事の多発により、お上から家庭にやたらと風呂を作るな、とお達しが出たことが元々の理由ですが、基本的にお喋り好きの江戸っ子のことですから、皆でお風呂に浸かり、和気藹々と様々な情報交換をしたり、世代を超えたコミュニケーションが取れる社交場としても銭湯は広まったのです。この伝統は現在の銭湯にも引き継がれています。
例えば、街のあらゆる情報を一番知っているのは銭湯の番台さんだとよく言われます。
銭湯は家庭でのお風呂と違い、今でも他人と裸の付き合いができる日本ならではの大切な場所なのです。

歴史的建造物として評価を得ている銭湯

街でよく見かける銭湯の外見ってお寺のような作りをしていますよね?これにもちゃんと理由があります。
関東大震災の後、宮大工さんが縁起を担いで、銭湯の形状をお寺のようにしたのが理由です。外見だけではなく、建物の構造にも地震が来ても平気なようにあらゆる工夫がなされ、非常に頑丈に作られています。(銭湯に行ってみたら柱に注目してください。大黒柱の横の梁(はり)は太さが30cmぐらいあったりします)これが大ヒットして、お寺の形状をした銭湯が瞬く間に全国に広がりました。
ですが現在では、当時の技術をもった大工さんの数が年々減ってきています。
今尚昔の建築様式が街中に残っているのは神社か銭湯ぐらいしかないのかもしれません。
皆さんが住む街でお寺風の昔ながらの銭湯を見かけたら、それは大変貴重な文化遺産と言えるのです。

銭湯のタイル絵、ペンキ絵も今や貴重な芸術作品

銭湯のもう一つの顔と言えば壁面のペンキ絵。取り分け富士山に代表されるのペンキ絵は、元々大正元年(1912年)に「キカイ湯」の主人が、画家の川越広四郎に壁画を依頼したのが始めとされます。お風呂に浸かりながら、旅行に行った気分を味わい、一日の疲れを癒す…これも銭湯の醍醐味です。これがたちまちお客さんの評判となり、日本全国の銭湯がこれを見習ってペンキ絵を導入した結果、銭湯といえばペンキ絵!と言われるほどになりました。
このペンキ絵を完成させる絵師達は、熱湯の溜まる湯船の上で、時間の制約に加えて、高温高湿度という過酷な条件で完成させなければならないため、非常に高度な技術を必要とします。
近年、このペンキ絵は日本特有の素晴らしいアート作品だと国内外問わず芸術家達に再評価され、ペンキ絵展などもさかんに行われていますが、時代の流れと共に廃業する銭湯の数が増えているのに比例して、ペンキ絵を見ることができる銭湯も減っています。現在ペンキ絵を堪能できる銭湯は200前後と言われ、絵師も関東では4名を残すのみとなり後継者の存続が危ぶまれているのです。
失われつつある日本の文化と芸術を今のうちに素肌で体験しましょう

気になる銭湯の料金は?

平成20年現在、都内の入浴料金は、

- 大人[12才以上] 450円
- 中人[6才以上12才未満(小学生)] 180円
- 小人[6才未満(未就学児)] 80円となっています。
(未就学児無料サービスを行う所もあります。サウナ等を利用する場合は、別料金がかかる銭湯もあります)
仮に大人料金で毎日銭湯を利用した場合、30日×450円=13,500円の費用がかかります。

※お得な回数券を利用しましょう

銭湯では、お得な入浴回数券が販売されています。
都内共通入浴券の回数券(10枚)は4,200円。
この回数券を利用すると、銭湯を月30日利用したとして12600円。通常より900円もお得です。

※ワンポイント

部屋を借りる時に、風呂無し物件+銭湯の月の料金分と、お風呂付のお部屋の賃料を天秤にかける事がよくあります。
家賃4万円の風呂無し物件を借りて、銭湯代が月1万強かかるなら、最初から風呂付き5万円の部屋に住んだ方がよい、という計算です。
しかし、自室での入浴には、プラスして水道・ガス・電気料金がかかります。
この入浴にかかる光熱費は、シャワーなのか、湯船にお湯を溜めるのか、入浴時間など個人によって差がありますが、大まかな目安として、月に3000円程度かかると認識しておきましょう。
風呂付物件と天秤にかける場合は、この光熱費もお忘れなく!

家庭のお風呂では味わえない?銭湯のメリット

やはり日本人は肩まで浸かってなんぼ

ワンルームマンションなどに備え付けのユニットバスやシャワールームでさっと入浴を済ます、といった人達も増えてきた今日。
ですが、やはり日本人は湯船に肩まで浸かって、一日の疲れを取りたいもの。銭湯なら広々とした湯船にゆっくり浸れます。
上がった後はシャワーでは得られない爽快な気分が味わえますよ!

銭湯通いで規則正しい生活を

銭湯の営業時間は大抵、16:00~0時前後となっています。
いつでも入られる家庭のお風呂と違い、営業時間が決められている銭湯を利用することは、健康になる為の基本中の基本である、規則正しい生活を送るきっかけにもなります。

いつでもすぐに、暖かいお湯に浸かれます

家庭のお風呂では湯船にお湯を溜める時間がかかりますよね。
追い炊きしても上辺だけ適温で入ってみると下は冷たかった!という経験をした人も多いのでは?特に冬場だと風邪の原因になったりします。
ですが銭湯ならそんな心配は不要。ゆっくりと身も心も芯まで温めてくださいね。

【身体を暖め、地球を冷やす?】

実は銭湯ってエコロジーそのものなのです。
今やテレビをつけても雑誌を見ても、どこもかしこもエコエコエコです。
地球温暖化が世界規模の問題となっているわけですが、私達の生活に密着した銭湯も、実はエコの観点からみて非常に優等生なんです。
  • ■ 銭湯は水を無駄にしない
    お客さんが銭湯に行って使う水の量は、家庭のお風呂で使う水の量の半分というデータがあります。また、銭湯のお湯は循環器を使って消毒し、再利用されているので、家庭のお風呂のように一度使って排水する、ということもありません。つまり、限られた資源をいかに有効に使うか、という現在の大きな難問を、銭湯はとうの昔に実践しているのです。
  • ■ 燃料エネルギーもエコロジカル!
    銭湯の水を沸かす燃料と言えば、かつては家の解体時に出る木材などの廃材を釜にくべ、それを燃やしてお湯を沸かしていました。(今も、まれにありますが)これは、廃材処理の意味から非常に合理的でしたが、同時に排出される煙が問題となったことから、最近は重油を使ってお湯を沸かしている銭湯が多いのです。この場合でも一度焚いたお湯を大勢の人で共有するので、家庭でお風呂に入るよりは経済的です。
    このように銭湯に通うということは、知らないうちに地球優しく粋なエコ活動に参加していたというわけですね。

銭湯以外にも、入浴できる施設の紹介

以外に穴場?スポーツジム・フィットネスクラブを利用する

料金・月6千円~1万5千円程度

スポーツジムには、シャワー室の完備はもちろん、スパやジャグジーなども利用できる施設も多く、メリットはなんといってもプールやランニングマシンなど様々な運動器具が利用できること。入浴もできて健康な身体も同時に手に入れることができます。 深夜帯でも営業しているジムも多いことも特徴。
また、ジムによって、平日のみの利用、ナイトパックなど様々な割引が受けられる場合がありますので、料金体系をよくチェックしましょう。

スーパー銭湯を利用する

料金 400~1000円

健康ランドは高い、けれど町の銭湯では物足りない、そんな人達をターゲットにしたのがスーパー銭湯です。
理容室やエステサロン、軽食サービスなどを提供するスーパー銭湯も数多く、露天風呂やジャグジー、岩盤浴、サウナなど、多種多様な入浴ができるところも人気ですが、毎日の入浴に利用するというよりは、家族で休日にゆっくり楽しむといったお客さんが多い。
また、都心よりは郊外に数多く存在している点がやや不便かも。

漫画喫茶・ネットカフェを利用する

料金 30分 200円~

最近ではシャワールームを備えた漫画喫茶・ネットカフェも増えてきました。
漫画が読めてネットも使えるのはもちろん、飲み物フリーといったサービスが付くお店も多々あります。
料金は都内では30分200円程度からが一般的ですが、シャワーは別料金だったり、各施設によって様々です。
難点を挙げると、シャワールームがひとつしか無い所が多い点。時間帯によっては順番待ちをしなければ入れないかもしれません。もちろん、入浴を満喫するなんてことは出来ません。

コインシャワー

料金 5分 100円~

一度のシャワー時間が5分程度では中々満足に身体を洗うことがが出来ないので、10分程度で利用する人が大半なようです。
防犯上の問題や、女性は利用しづらいといった面もありますし、狭いシャワー室で時間を気にしながら身体を洗わなければならないため、毎日の入浴に利用するのは少し厳しいかもしれません。
それなら少々割高でもゆっくりと浸かれる銭湯を利用した方がよいかも?